2011/07/08

【翻訳】ツール・ド・フランス2011第6ステージ 記者会見&コメント[cyclowired]

  • ボアッソン「今日は落ち着いてアタックした」フーガーランド「凍えるほど寒かった」

CW側でアップされてないようですので(リンクが見あたらないので)、個人のバックアップから下記に公開しておきます。

ボアッソン「今日は落ち着いてアタックした」フーガーランド「凍えるほど寒かった」


ツール・ド・フランス2011第6ステージは、今大会最長の226km。強い雨の悪天候で調子を崩す選手たちもいた。登りゴールを制したのは、ボアッソン。チームスカイの貴重な1勝目となった。

ステージ優勝したエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)


昨日は最後でミスしてしまった。だから今日はもっと落ち着くことにした。昨日よりも少し長く待ってみたんだ。そのほうがジェレイント・トーマスにもよかった。彼はラスト3kmの登りを駆け上がって、とてもうまく牽いてくれた。ステージを獲れて、驚いている。

昨日よりは待たなきゃという小さな考えはあったけど、本能のままに走ったよ。登りでの感触もよく、脚の調子はよかった。さらによかったのは、前方に出たときに、ジェレイントがそこにいたことだ。

ゴール前の登りでも平坦でも、ジェレイントは貴重なサポートをしてくれた。自分がスプリントで充分なスピードが出せることも、今日チャンスがあることも、昨日からわかっていた。勝利できて満足だ。

フィニッシュラインが見えて全力を出したんだ。ラインを越えたときは、とてもよい気分だった。両腕を空に向かって掲げて、いい気分を味わった。本当にいい気分だった。だって、ツールにはノルウェーから参加してる選手はふたり(ボアッソンとフースホフト)だけで、そのふたりとも表彰台に上るんだ。

マイヨジョーヌを維持したトル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)


(スプリントする)脚は残っていなかったので、心からエドヴァルド(ボアッソン)の勝利を喜んでいる。今日はスプリントに参加した。スプリントでの勝利は、今回のツール・ド・フランスでの最大級の目標のひとつだ。勝つ見込みのあるスプリントステージで、勝利まであとわずかだった。勝利に必要なものが少し足りなかったんだ。

エドヴァルドの今日の勝利は信じられないほどすばらしい。若い選手なのに、こういったステージのゴールに強い。もちろん、彼の勝利はうれしい。ぼくは彼に勝つ方が好きだけど、ぼく以外の選手が勝利するとしたら、それが彼だとうれしい。

エドヴァルドは大きな可能性を持っている。そして、彼の適性を指摘するのは難しい。それは彼の目標次第なんだ。というのも、今日のゴールを見ると、ジルベールのようなタイプにも、ぼくのようなタイプにもなれるだろう。

マイヨヴェールのフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)


ゴール直前の登りは、みんなが言うほどハードじゃなかった。話がオーバーに伝わってしまっていて、実際にはたいしたことなかったんだ。それから、今日のステージはかなりの長距離だったけど、強い追い風のおかげで集団のペースもかなり速かった。だから、比較的フレッシュな状態でゴールにたどり着いたし、そんなにハードな日ではなかったね。

ゴール前で、チームメイトのイェーレ・ファネンデルトがアタックした。ペースを上げて集団をふるいにかけることを期待したんだ。まあまあ効果があったんだけど、ぼくがスプリントを始めるキッカケを失ってしまったんだ……ともあれ、ボアッソンハーゲンはとても強かった。昨日の彼はロングスプリントの準備をしていたようで、アタックしたのが早過ぎたんだね。今日の彼は絶好の位置でアタックして、とても強力だった。昨日もこれができていれば勝てただろうね。

今日は勝てなかった。ツールに来たのは勝利してマイヨジョーヌを着ることが目的だったけど、それは4時間半走った後(第1ステージ終了時)に実現した。だから目標はもう達成してるんだ。マイヨヴェールについては……今から考えるよ。

逃げに乗って山岳賞を獲得したジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)


チームにとって初のツール・ド・フランスなんだ。この美しいレースで、この場(表彰台)にいることをチームの全員が喜んでいる。ぼくたちにとって重要なのは、逃げて自分たちの存在を示すこと。ぼくたちには、フェイユといったステージ優勝が見込める優れたスプリンターがいる。山岳を得意とする選手たちも揃っている。けど、今日の目標は、ぼくが山岳賞ジャージを獲得することだった。ぜんぜん簡単じゃなかったよ。最初の35〜40kmでは、集団との差がたった1分だったから、全力で走る必要があったんだ。そうして、やっと逃がしてもらえたんだ。

雨が降っていて、凍えるほど寒かったから、とても大変だった。補給地点では、寒さのあまりにもう一枚ジャケットを重ね着しなければならないほどだったんだ。

第2山岳スプリント[※]で、ルーに負けそうだったから、チームメイトのリエーベ(ヴェストラ)がアタックしてくれた。完璧だったよ。[※訳註:中間スプリントを勘違いしている]

ともあれ、明日もこのジャージをキープするつもりだ——これは確実だ。明日は山岳ポイントがひとつもないからね。でも、逃げた2日分の疲労を回復する必要がある。それでもできるだけ長く、このジャージを着続けていたいね。

ぼくは集団の中にいるべき選手じゃないんだ。ツール・ド・フランスというイベントがあって、毎日レースに参加している。チームにとってはたくさん宣伝する絶好のチャンスなんだ。そうして、ジャージまで着れたんなら、すばらしいよね。

リエーベは第2山岳スプリント[※]で、とても強かった。まるでオートバイだね! あと100mもあったら、姿が追えなくなるほどだ。メイン集団を相手にするには厳しいけど、先頭集団にとっては彼の存在が大きかった。[※訳註:中間スプリントを勘違いしている]

新人賞のジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)


こういう天候は好きなんだ。大抵の選手は不平を言うけれど。雨が降っていると、集団の半分はレースをする気をなくすから、こっちが有利になる。ぼくやエドヴァルド(ボアッソン)は、今日に向けて意気込んできた。勝利できると思ってたんだ。ふたりとも調子がよかったし、ぼくたちにぴったりなゴールだからね。今日はチーム全体がすばらしく、チーム一丸となってよく働いた。ととえば、スウィフティ(ベン・スウィフト)がよい仕事をしてくれた。ぼくたちを前方に届けてくれたし、登りがはじまるときは風から守ってくれた。おかげで、ぼくたちは脚を残したままで好位置につけた。最後の200mは、ぼくがエディ(ボアッソン)を牽いて、彼が成果を手にした。チームにとって完璧な一日だったよ。

ここまで来るのには少し時間がかかった。去年はステージ優勝できなかったんだ。今年は少しずつ勝利に近づいてきていた。ついにステージ優勝することができたのはすごいことだよ。

こういう道でレースするのが好きなんだ。灼熱の炎天下に山を15kmも登るなんてばかばかしいことをする必要はないんだ。今日はいい走りができてて、みんなが身動きが取れなくなっていた。かなりのストレスがあったけど、戦って好位置につけたし、連携もうまくとれたのは好材料だ。

ぼくが勝ったバイエルン一周や、ブラッド(ウィギンズ)が勝ったドフィネ以来、チームの士気は上がっている。いい相乗効果になっているんだ。ブラッドと一緒に、これを維持することができると思うよ。

敢闘賞のアドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD)


朝のミーティングで、ステージ序盤でのアタックに注意するように言われたんだ。アタックが始まったのに気づいてすぐに反応して、逃げに乗ることができた。有利な状況にしようとがんばったけれど、ぼくは一人だった。このままゴールまでいくのが難しいことはわかっていた。ともあれ、ぼくにってすばらしい一日だった。敢闘賞の表彰台では胸がいっぱいになったよ。

落車で大きく遅れたリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)


ばかばかしい落車だった。ひどい雨で、どこもかしこもひどく危険だった。狭い道はなおさらだ。ゴール近くに1.5kmの登りがあることはわかっていたから、集団前方での位置取りが重要だった。だから差を詰めるために急ごうとした。追いつきかけたとき、ガードレールにぶつかってしまった。20mほどガードレールに沿って滑る形になったように思う。幸い、そのおかげでスピードが落ち、路面に投げ出されても怪我はしなかった。少し肘をすりむいたけれど、昨日に比べればなんでもない。でも1分を失ってしまった。何も言わず、前向きになるだけさ。

ソースは現地取材、記者会見、主催者公式サイト、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。

translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI

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