2019/07/29

【翻訳】ツール・ド・フランス2019 第21ステージ 選手コメント

https://www.cyclowired.jp/news/node/302809

【雑感】21日間、お疲れさまでした! 消化不良感は否めないとか書いてましたが、ベルナルは勝つべくして勝った選手ではありますよね。ただ、ニュートラルによる総合優勝じゃなく、ステージ優勝できっちりアラフィリップとの勝負を片付けてのほうが良かったなあ(単純に見たかったなあ)という思いです。にしても22歳で初出場しての総合優勝なので、今後はどんだけ活躍するんでしょうかね。

結果的に、今回のベルナルは記録的にはステージ優勝なしでの総合優勝となっています。後世、運だけで勝てたとか言われそうな気もするので、今大会でちゃんとベルナルが強くて勝ったことは記憶しておきたいです(たぶんキャンセルにならなくても差をつけて勝っていたでしょうし)。

久しぶりに熱くて、血がたぎるほどおもしろいツール・ド・フランスでした。今回は見るだけでなく、少しでもツール・ド・フランスというコンテンツのおもしろさを伝える役割を担えたことも実にうれしかったです。満足!

2019/07/28

【翻訳】ツール・ド・フランス2019 第20ステージ 選手コメント

https://www.cyclowired.jp/news/node/302757

【雑感】第19ステージはピノの脱落、荒天による土砂崩れ。そして、その土砂崩れでコース短縮により、アラフィリップのマイヨジョーヌ喪失というフランス人にとっては悪夢のようなステージでした。いや、ああいうかたちでマイヨジョーヌが移り変わってしまうのは、それがツールといえども消化不良気味でした。

その消化不良を引きずるかのような第20ステージは、これまた荒天により、コースの大半がキャンセルされ、ひたすら上りのみという厳しい山岳ステージとなりました。選手たちは翌日以降のことを考えなくてもいいし、山一発勝負なのでアタック合戦が見られるかと思ったんですが、さすがに3週間分の疲れがあるためか、総合勢ではなく伏兵たち、そして表彰台狙いの選手たちが勝負に出た感じでしたね。

ということで、ひさしぶにニバリの優勝が見られて良かったです。また、その10秒後にこっそり2位でゴールするバルベルデ師匠。ちゃっかり優勝を狙っていたのがかわいいところです(モビスターはチーム総合優勝を狙った動きだったようですね)。

ともあれ、ツールもあと1ステージ。シャンゼリゼを残すところです。見どころはスプリント勝負で、シャンゼリゼゴールでポイント賞に華を添えたいサガンあたりでしょうか。また躍進のユンボ・ヴィズマも狙ってきそうですね。

2019/07/21

【翻訳】ツール・ド・フランス2019 第14ステージ 選手コメント

https://www.cyclowired.jp/news/node/301903

【雑感】フランス人、強い! トゥールマレ峠のステージはピノが制して、さらにアラフィリップが2位でゴールするという、フランス人によるワンツーフィニッシュでした。いや、これはフランス国内の興奮具合は凄まじいでしょうね。

一方でゲラント・トーマスはまさかの大失速で驚きました。タイム差も2分ついてしまい、アラフィリップとしては防衛戦に持ち込んだままパリにゴールすれば総合優勝という、すごいアドバンテージがつきましたね。

さて、この日のフランス人の熱狂ぶりのなかで、大興奮したのはマディオ監督ではないでしょうか。

この動画の別方向から撮影したものが、下記になります。いや、もうすごいのなんの。

おめでとうございます。ちなみに本日は東京オリンピックのテストイベントを観戦に行ってきました。余力があったらレポートしたいですがなさそうです。すまぬ。

2019/07/20

【翻訳】ツール・ド・フランス2019 第13ステージ 選手コメント

https://www.cyclowired.jp/news/node/301792

【雑感】アラフィリップ、強い! まさか個人タイムトライアルでタイム差をつけるとは! と誰もが思った13ステージでしたね。例年は総合候補じゃなかった選手がマイヨジョーヌを着ると、第2週の山岳ステージに差し掛かるところで、そろそろ本命の主役の登場かなという雰囲気があります。が、アラフィリップは昨年のツールの山岳王。総合を狙う各チームともに「おいおい話がちがうじゃねーか」な感じで警戒感を強めている感じですね。

絶好調のアラフィリップ。昨日の選手コメントの見出しでは、「明日は限界を超えていける」でした。

そして本日は「観客の声援で自分の限界を超えた」で、まあ、軽く限界を突破しちゃいましたね。ここから本格的な山岳ステージに入ることになり、わりと熱い攻防が見られそうです。願わくば、この週末にバッドデイが来ませんように。

さて、第13ステージの本命と目されていたのは、ベルギーのTTチャンピオン、ワウト・ファンアールトでした。が、終盤のコーナーで落車してケガを負ってしまい、DNFとなりました。横断幕をかけてケガを見せないように隠したりしていて、かなり心配な状況です。シクロワイアードの記事には下記の動画のコメント訳を掲載しています。なんとか無事のようですが。

ちなみにシクロワイアードのほうですが、《Head of Performance》の役職名と《Mathieu Heijboer》のカタカナ表記(マチュー・ヘイブーアとかでしょうかね)の裏づけをとる時間がなかったため、編集部と相談し《スタッフ》としております。読み方とか知ってるひとがいたらご教示いただけるとありがたいです。

では、今日の夜の第14ステージに備えて、期日前投票に行ってから仮眠しましょうかね。

2019/07/15

【翻訳】ツール・ド・フランス2019 第9ステージ 選手コメント

https://www.cyclowired.jp/news/node/301169

【雑感】第8ステージとうってかわって、総合争いや各賞の争いのない、まったりとした展開でしたね。早々に決まった15名の逃げがこういった争いに絡んでいない選手たちということもあって、ドゥクーニンク・クイックステップが集団をうまくコントロールしていたっぽいです。また、トレック・セガフレードあたりも、これに強調して動いていたっぽいです。

ステージはベテランのインピーが、マッチアップでベノートを下しての勝利でした。彼のキャリアではツール・ド・フランスのステージは初優勝だったんですね。マイヨジョーヌは着用したことはあったけど。欠けていたものというのは、そういうことでした。

個人的にはベノートのコメントがかわいくて笑いました。「飛び出しは成功したけど、よりによってインピーだけが残ったので最後には負けちゃうな。でも、一緒にいかないと逃げらんないし」感があってすばらしいですね。「悲喜交々」が適訳そうなだけど、あまり意訳せずに原文が透ける感じの「うれしさとがっかりが半々」あたりに留めておきました。

それから注目なのは、不運を持つ男、リッチー・ポート。去年、一昨年ともに第9ステージの落車での離脱でしたが、果たして今年は……というのが関心事項でした。ぼくのタイムラインでは、リッチーが無事に乗り切ったことに安堵するツイートが連続していました。本来なら、こういうところじゃなくて総合上位で絡むべきポテンシャルのある選手なんですが、あまりにも不運すぎる。で、彼自身もこの不幸なジンクスは自覚しているようで、第9ステージを乗り越えたことを敢えてツイートで報告してました。感無量な感じですね。

第11ステージが終わったらようやく休息日。熱い第1週でしたが、次の2週はどういう展開になるんでしょうかね。楽しみです。

2019/07/14

【翻訳】ツール・ド・フランス2019 第8ステージ 選手コメント[cyclowired]

https://www.cyclowired.jp/news/node/301049

【雑感】熱い! その一言に尽きるレースでしたね。まさかデヘントの190kmの逃げ切りが成功するなんて! 全長200kmなんで誤差を含めると約90%は逃げていたわけですよ。伝説的な逃げといえるのではないでしょうか。

それから、残り約12kmあたりの登り口での、アラフィリップのアタック。そして、そこについていくピノ。翌日(7月14日)の革命記念日に向けて、毎年、ツールでは7月13日のステージはフランス人のモチベーションがちがいます。今年は、絶好調といえる、このふたりが機を見て仕掛けました。とくにアラフィリップは、彼向けのステージとして言われていて、下馬評も高かったです。そして、しっかりアタックして、ちゃんとマイヨジョーヌを獲得するなんて、さすがですね。あのアタックからの逃げはピノがいたから成立したというのは本人もコメントで認めています。

落車したゲラント・トーマスのコメントもちょっと注目かも。大事がなくて良かったけど、あの落車さえなければ……という悔やみもかなりのものでした。

ということで、今日開催の第9ステージの7月14日もまたフランス人にとって特別な日。このステージもフランス人選手の活躍に注目すると良さそう。アラフィリップが今日はステージ狙ったりして。

2019/07/13

【翻訳】ツール・ド・フランス2019 第7ステージ 選手コメント[cyclowired]

https://www.cyclowired.jp/news/node/300979

【雑感】TwitterやFacebookにもポロポロコメントしていますが、今大会、コースレイアウトがむちゃくちゃおもしろくないですか? 山岳ステージなんて「前はそこでゴールだったでしょ?」の先に未舗装区間(しかも20%越えの斜度とか)を設けて、決まりそうになったゴールをカオスに戻すような演出があったり。ポイントの配分も見事で、なかなか盛り上がる構造になっています。

とか言ってたら、第7ステージは、あまり展開もなく、わりとダラけた感じでしたね……。230kmはさすがに長かったか……。

フルーネウェーヘンはまさに雪辱といった感じの勝利でした。今大会のユンボ・ヴィズマはなにかと神がかりですよね。あと、どの選手もやはり翌日の山岳ステージを警戒しているようですね。フランス人にとって特別な革命記念日前日とあって、モチベーションが異様に高いフランス人クライマーが躍進する可能性もあったりしそうです。

あ、あと、ティージェイは中継ではそこまで状況がわからなかったのですが、ツールをDNFするということで、慌ててつっこみました。

2019/07/07

【翻訳】ツール・ド・フランス2019 第1ステージ 選手コメント[cyclowired]

https://www.cyclowired.jp/news/node/300169

【雑感】ごぶさたです。1年2ヵ月ぶりの更新です。6年ぶりにCW本誌での選手コメントの翻訳を担当いたしましので、ご紹介します。

今回のツールはマイヨジョーヌ100周年。なんか5年に1回くらいの割合で100周年イベントをやっている感じですね。ちなみに2023年で110周年記念大会となる模様です。

さて、今大会は大本命のクリス・フルームが直前のドーフィネでの試走中に落車・骨折という大事故にあい、出場をキャンセル。「これならワンチャンあるかも!」と鼻息を荒くした選手たちの意気込みにより、ちょっとしたカオスな状況になりつつある、と予想しています。

バルデやピノ、ベルナルといった若手の台頭もあって、新生代の息吹を感じるどころか、フルームがいないあいだに世代交代が進んでしまうかもしれませんね。そういう兆しを見せてくれたのが第1ステージ。ユンボ・ヴィズマのスプリンター、ディラン・フルーネウェーヘンが落車により遅れたものの、そのサポートであったマイク・テウニッセンが、なんとペテル・サガンを差しての勝利。誰もが予想していなかった勝利でした。いや、キャリアをあさると、勝ってしかるべき実力なんですが。まさかサガンが僅差で差されるシーンを目にする日が来るとは思いませんでした。

そのサガンもチームメイトを率いて、けっこうクレバーで戦略的な走りをするようになり、パスタを頬張っていたやんちゃっぷりを中野マッサーに隠し撮りされていたのが遠い過去のようです(過去ですが)。

ともあれ、大本命不在により均衡が崩れたツール・ド・フランス2019。今年のジロ・デ・イタリアと同じで最後まで勝負がもつれそうで、なかなか楽しみです。

あ、ちなみに。コメント翻訳は諸事情により、原則として土日のみの担当となります。

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