【覚書】やっと普通の自転車レースっぽいものを見た気がします。今年のブエルタは序盤に毒気が多くて、あてられっぱなしでした。さて、今日のCW本誌のコメントの注目は「逃げで最後まで粘ったアルノー・クーテル(フランス、FDJ.fr)」です。「うちにはスプリンターがいないから、こういうステージでは逃げる以外の方法がない(大意)」とかぶっちゃけたり、吸収されるときの話で「(振り返ると)トニ・マルティンが重いギアを踏みながら集団を率いて迫ってくるのがわかった(大意)」とかね、正直すぎてかわいい。
話は前後して、昨日のCW本誌のコメント、カンチェの「55kgと85kg〜」の数値についてです。もう推測していただいていると思うのですが、あの数値はカンチェがおおざっぱに言ってるだけのようですね。Wikipediaベースの情報だとモレーノは59kgとのこと。少し盛りやがったな、カンチェ、という感じです(この場合は減らしやがったな、ですが)。
で、本日のオマケ翻訳は本誌で採用しなかったマイケル・マシューズのチーム公式でのコメント。レース公式リリースのほうがコンパクトで情報量が多かったので、そちらを優先いたしました。チーム公式リリースのほうはチームへのリップサービスもあるのか話が長いんですよ。そのぶん展開はわかるのですが、ちょっとダラけちゃうので採用しませんでした。チームへの信頼感、そしてアタックしたジルベールが後退した理由などがちょっとだけわかりますね。いずれにせよ、マシューズ、すげーイイ奴であります。
ステージ優勝のマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
フィニッシュラインを越えた瞬間に、うれしくてたまらなかった。その数秒後には、自分が成し遂げたことを身にしみて実感した。その後に思わず涙がにじんでいた。この勝利は、ぼくのキャリアの上でも重要だ。チームメイトたちも今日は素晴らしかった。彼らのアシストが完璧だったので、自分の目標を達成できた。
(戦略として)クリスティアン・メイヤー(カナダ)に序盤から逃げている集団を追いかけてもらった。彼はガーミンの2名の選手と合流して、10分のタイム差を4分まで縮めてくれた。今日は本当に彼の仕事が素晴らしかった。
チームとして、ゲランス(オーストラリア)、クック(オーストラリア)、ラーク(オーストラリア)、ビューリー(ニュージーランド)の4名を使って追走した。リー・ハワード(オーストラリア)とミッチェル・ドッカー(オーストラリア)の2名については、リードアウトのために温存した。それ以外のチームメイトたちは集団前方で全力で走って、逃げを追いかけつつ、ぼくの安全をキープしてくれた。
彼らは、ぼくのキャリア全般を通して、ずっと目標にしてきた選手たちだ。その彼らが、ぼくのために集団前方で走っている姿を見ると、涙が浮かんでしまった。
スプリントで勝負することの美点は、追走のことを心配する必要がないことだ。前を走る選手の後ろに付くだけでいいので、心を無にして、ステージ最後の仕事だけに集中することができる。チームの仕事は、逃げ集団を捕まえることだ。ぼくはチームメイトたちが、その仕事をやり遂げると信じていたし、彼らもぼくが望まれた仕事をやり遂げると信じていた。
だから、差を縮めることや追走することについては、まったく心配していなかった。最後のスプリントでのあらゆるシナリオを想定することだけに集中していた。リードアウトがあるなら、どう走ろうか? リードアウトがないなら、どう走ろうか? こういったことを考えていた。
ジルベールが動こうとしているのがキッカケになった。ジルベールのアタックは予想していた。彼はおそらく最後は勾配が厳しくなると考えていたはずだ。でも、実際は平坦なスプリント勝負だった。こういうコースだとアタックは決まりにくい。オメガファーマ・クイックステップやアルゴス・シマノのリードアウトたちが前に出始めたこともあって、彼はすぐに戻ってきた。それでゴールまでのスプリントで取りたいラインがとてもクリアになったので、世界に向けてぼくの脚を披露した。
表彰台に立ったときに、オーストラリア人の観客が数名いることに気づいた。グランツールでのステージ優勝は素晴らしい。(オーストラリアとは)地球の裏側に位置するような場所で、表彰台に上って優勝を祝ってもらっているときに、故郷からの観客がいて祝ってくれているのは、本当に格別なものだった。
第5ステージで、早くも1勝できたことはチームとしても非常に喜ばしい。このチームは今後のステージについても、大きな可能性を秘めている。今日の勝利が、チームにとっての始まりであることを願う。
コメント出典
http://www.greenedgecycling.com/news/michael-matthews-sprints-to-maiden-grand-tour-victory
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