2013/06/09

【翻訳】クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2013 第7ステージ 選手コメント

http://www.letour.fr/2013/CDD/LIVE/us/700/journal_etape.html
総合1位のクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)
「現在は状況を支配できていると思う」


自分の目標まで、あと1日で到達する。明日もまたハードなステージになりそうだ。とくに海抜2000メートルを超えるヴァール峠を上ることになる。でも、状況は自分の支配下にあると感じている。明日もゴール付近はタフなことになりそうだけど、チームメイトのリッチー・ポルト(オーストラリア)には最後の上りまで脚を残しておけるはずだ。できれば、ふたりでゴールしたい。

現在ぼくたちは総合成績の上位1〜2位にいる。ツール・ド・フランスでも、似たような状況になる可能性もあるため、とても良い予行演習になっている。ただ、まったく同じレース展開になるわけじゃない。各チームが、それぞれの思惑で動くからだ。たとえば今回はサクソ・ティンコフは総合3位を狙っているけど、違ってくるだろう。

(このレースで)アルプ・デュエズは1回上っただけでもハードだ。だから、ツールでアルプ・デュエズを1日に2回上るとどうなるかの想像もつく。今日は明らかにリハーサルだった。サレン峠からの下りは、とてもトリッキーだった。それを経験できたのも良い収穫になった。


ステージ優勝のサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
「自分にもチームにも大きな意味があった」


とても苦しかった。とくに最後の3kmは。ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)はとても強かったけど、最後に彼に打ち勝つために全力を尽くした。この素晴らしい勝利を得たことで、エウスカルテルにとってはツール・ド・フランスに向けて幸先の良いスタートになった。

今年はチームとしては2勝していたが[ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオンでパブロ・ウルタスン(スペイン)とファンホセ・ロバト(スペイン)がステージ優勝]、ワールド・ツアーのレースでは勝利がなかった。ジロ・デ・イタリアでは思い通りの結果も得られなかった。だから、これからの良い契機にもなったし、今回の出場でこのような結果を得られたことがうれしい。

個人的には、今年のツールではステージ優勝は狙っていない。少し休もうと思っている。自分にとっても、チームにとっても、ドーフィネで勝てたことは大きな意味があった。今日の勝利は、友人でもあり、チームメイトでもあり、数ヵ月前に事故死したビクトル・カベド(スペイン)に捧げたい。


山岳賞のトマ・ダムソー(フランス、アルゴス・シマノ)
「目標は、ほぼ達成した」


今日はとくにハードだった。今日は起きたときに、とても疲れていた。その理由はわからなかった。なんとかして逃げに潜り込んだ。このときの状況がとてもラッキーだった。ぼくの山岳賞ジャージのライバル2人と直接対決できたから。ダヴィ・ヴェイユー(カナダ、ユーロップカー)は、ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)のステージ優勝をアシストするために、その位置にいたのがすぐに理解できた。そこで、ケブン・シールドライエルス(ベルギー、アスタナ)との対決を優先した。

彼がいたおかげで楽ではなかったが、なんとか山岳ポイントを稼ぐことができた。おかしいと思うかもしれないが、ぼくは自分たちが吸収されることを望んでいた。シールドライエルスがぼくよりフレッシュだと思っていたからだ。それもあって、ノワイエ峠からの下りでは勝負せざるを得なくなっていた。28ポイントの差をつけることができたので、自分の目標はほぼ達成したと確信している。このようなレースで、特別なジャージを獲得できたのは、とても重要な意味がある。


新人賞のローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
「自分にプレッシャーをかけてきた」


ハードだった。チームメイトたちが凄まじい仕事のおかげで先頭集団で走れていて、なんとかそのペースについていこうとした。最後から2番目の山岳で(新人賞ジャージのライバルである)ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)とのタイム差を見て、必死になった。最後の山岳の麓で、彼へのアドバンテージはなくなっていた。でも、最終的にこの白いジャージをキープできて、自分たちにとって良い日となった。ぼくはこうして自分にプレッシャーをかけてきた。これまでの6日間のレースを終えて、こういう試練に対して自分はまだまだ不十分だとわかった。あと1日でタイムトライアルのステージ後の目標に達成しそうだ。


コメント出典
http://www.letour.fr/2013/CDD/LIVE/us/700/journal_etape.html


【雑感】ドーフィネも残すところ、あと1ステージ。ようやく趨勢も固まって、大きな逆転もなくなりそうです。今日はアルプ・デュエズからの下りということで、ちょっと不思議だったんですが、ツール・ド・フランスで2回上るので、その下りコースの予行演習という意味もあったんですね。フルームのコメントで理解できました。で、ステージ優勝したサンチェスの三味線も見事な演奏でした。彼のガッツポーズは、練習中に23歳で事故死したビクトル・カベドへのものでした。詳細はこちらを参照→エウスカルテルの若手選手の訃報 エウスカルテルの23歳ライダー、カベドが練習中に事故死 [LINK]

ツールを占う今大会ですが、目立ったのはリッチー・ポルト、マイケル・ロジャース、ローハン・デニスといったオーストラリア勢。ジロ・デ・イタリアで目立ったコロンビア人選手たちとともに、ツール・ド・フランスで注目したいと思います。

ツールを占う大会といえば、ツール・ド・スイスも始まりました。こちらのほうはレース主催からのリリースに選手コメントがないので、いまのところ割愛する予定です(来週から入稿が始まるのでちょっと余裕がなさそうなので)。とはいえ、おもしろいステージがあったら、載せるかも知れません。

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