【覚書】手に汗を握るバトルでした。いやー、こんなに熱い総合優勝争いを見たのは本当に久しぶりでした。ホーナーが41歳でグランツール勝利で、ブエルタに勝利した初のアメリカ人という栄冠に輝きました。ステージ優勝のケニー・エリッソンド(フランス、FDJ.fr)もプロ2年目で、大金星でしたね。FDJは第15ステージでジェニエも勝っているし、フランス人クライマーの台頭でおもしろくなりそうですね。
CW本誌コメントのほうの注目はまずはエリッソンド。ちょっとだけFDJ.frのチームのよさについて触れています。そして、総合優勝を確定させたホーナー。膝の治療中の息子との交流が泣かせます。優勝を逃してしまったニーバリですが、コメント内容からはマイヨロホを早く取り過ぎたことを後悔している節も感じられます。通算13日着用して失ったわけですから悔しいでしょうね。他のコメントについては、ほぼチームへの感謝を述べるケースが多かったです。バルベルデ師匠がいちはやく世界戦へと気持ちを切り替えています。
最終日の第21ステージは久しぶりのスプリントステージ。注目は、エターナルセカンドの異名あげたいランプレ・メリダ。今度こそ、リケーゼの優勝を見てみたいです。
さて、オマケ翻訳のほうはチーム公式のほうのホーナーのコメント。長いです。長いので粗訳の段階で放出します。誤字・脱字はおめこぼしを :)
総合1位・複合賞・ステージ2位のクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
膝の手術で自宅にいたとき、この膝はもう二度と快復しないのではないかと思った。そのとき11歳の息子に自分がレースを続けられるかを話したことがある。「レースを続けたいが、膝が治らなかったらリタイアせざるを得ないだろう」と息子に言ったら、彼はこう返した。「お父さん、リタイアはダメ。学校で他の子供たちにお父さんの仕事を訊かれたときにクールじゃなくなるから。今はお父さんは自転車選手で、ツール・ド・フランスやブエルタ・ア・エスパーニャという大きなレースで走ってると自慢している。ぼくは友達みんなにお父さんは元自転車選手だなんて言いたくない!」
今日はずっとペダルを踏みながら考えていた。息子は自分の父親がグランツールを総合優勝した選手で、ブエルタ・ア・エスパーニャを総合優勝した唯一のアメリカ人で、しかもグランツール史上唯一の41歳で優勝した選手だと自慢してもらおうと。これで息子は、これからの人生をずっと自慢できるだろうし、この瞬間をずっと喜んでくれると思う。
この年齢ともなると、実感が沸くのを明日まで待つ必要はない。この瞬間がいかに美しいかを理解している。この結果につながったニーバリ(イタリア、アスタナ)との死闘が愛おしいし、レースで勝つために暗中模索した苦しみさえも愛おしい。
(ニーバリのアタックで差を付けられるたびに)自分に立ち返って何が有効かを考える必要があった。彼が執拗にアタック繰り返す時間が長かったため、最初のうちは有効なものを必死で続けていたが、次第に何が有効かを思い出さねばならなくなっていた。最終的には、彼が一瞬だけ快復できない隙を作るために、ゴールまで全力でアタックを繰り返すことになってしまった。ほんのわずかな差がついても彼はすぐに快復して、加速して付いてきていた。最初のうちはそういうミスを何度か繰り返したが、やがて自分のほうが前に出て自分のペースで走ることにした。
シッティングで登るのは好きじゃない。たいていの場合、スタンディングのほうが楽に登れる。そのほうがリズムが出るようだ。自宅でもそういうトレーニングをしているから、ずっとそういう方法でやってきた。ぼくだけのスタイルかもしれないが、自分にとっては最も楽な登りかただ。ぼくは自分の自転車でレースするのが好きだ。ぼくの人生には大切なものが4つあるが[訳注:妻と3人の子供]、自転車を5番目として加えたい。
今日はかなりハードで、これまで以上に苦しくなるだろうと考えていた。ニーバリは素晴らしかった。ここでニーバリやバルベルデ、ロドリゲスといった強力なチャンピオンたちに勝つことは、自分にとって大きな意味がある。今回、彼らと一緒に総合優勝を争うことが信じられない。ニーバリがあれほどの回数アタックする姿を見て、自転車ファンはかなりエキサイトしたにちがいない。椅子から中腰になるくらい興奮したと思う。ぼくの年齢の選手がグランツールで総合優勝を果たしたのは、伝説的な瞬間になるだろうと思った。だから、ファンが喜ぶ顔を想像しながらペダルを踏みこみ、自分自身の苦しみを楽しみ、これまで自分がやってきた乗り方を続けた。自分がもがくたびに、ファンのみんながその姿を楽しんでいるだろうと思った。
霧が深すぎて最後の1kmは(よく見えずに)誤解してしまった。山岳賞ポイントを通過したので下りになると思ったのだけど、まだ登りが続いていた![霧で見えずに残り1kmのバナーを山岳賞のバナーと勘違いしていた] 最後の1kmは下りになるという話だったので、その山岳賞のバナーを過ぎたときは不思議に思った。その山岳賞のポイントまでは全力で走っていたのだけど、そこがゴールじゃなかったんだ。そこで一息入れてから、大きなギアにシフトして、もっと苦しみ続けることにした。
今日もチームメイトたちは信じられない働きをした。それからすべてのスポンサーにも感謝したい。ラスタマン[グレゴリー・ラスト(スイス)]は、このブエルタで本当に何度も助けてくれた。ロベルト(クロアチア)と若手のマシュー・ブッシュ(アメリカ、レディオシャック・レオパード)を始めとする全員があらゆるサポートをしてくれた。レディオシャックはずっと素晴らしかったし、ニッサンにも同様にお世話になった。今日の結果に関係するすべての人々に感謝したい。
コメント出典
http://www.radioshackleopardtrek.com/news/horner-goes-battle-la-vuelta-win
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