リード部分だけでも訳すと、下記のように非常に「ゲスいのちょーだい」という感じの自転車大国ベルギーを彷彿とさせる雑ぱくな前置きですばらしいです。
今晩、プロトンがパリに到着し、ツール・ド・フランスは終了する。100回記念大会となったツール・ド・フランスを評価する時期がきたようだ。素晴らしいハイライトとともに八大ガッカリ選手を順番に紹介しよう。この記事をベースに、ツール2013の八大ガッカリ選手についての総合成績、Sportwereld誌の寸評、出場前のコメント、ツール終了後のコメントをしてみます——と思って、途中まで作業したのですが、さすがに全部はそろいませんね。とりあえず、見つかったコメントのみをピックアップしておきました。まとめて読むと、悲喜こもごもで切なくなります。
ともあれ、書いてみたら意外に長くなっちゃったので前編と後編に分けて、4人ずつご紹介します。前編では下記の4選手。
- トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
- カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
- トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
- アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)
前編の4人はざっくりといってベテランどころです。がっかりの原因は不調・調整不足などもあるようですね。エヴァンスに関しては、エースの座の移譲の含みがありそうです。というか、ベルギーのメディアは、どうもBMCのお家騒動を期待している節を感じてしまったのですが……。
●総合65位:トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
Sportwereld誌コメント:みんなのアイドルでもあるフランス人が、ツール・ド・フランスでまったく精彩を欠いていたのは、この5年で初めてだった。2009年も2010年もステージ1勝をあげ、2011年には総合4位の成績をおさめ、昨年はステージ2勝のうえ山岳賞も獲得した。今年はまったく活躍することがなく、ステージ優勝への意欲も見せなかった。彼の活躍が見られなくて寂しい。トマ・ヴォクレールの成績(stage:ステージ、class.:ステージ順位、g.c.:総合順位)
stage | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
class. | 100 | 84 | 89 | - | 125 | 112 | 165 | 75 | 172 | 158 | 114 | 149 | 168 | 160 | 42 | 19 | 111 | 38 | 59 | 120 | 121 |
g.c. | 100 | 72 | 66 | 64 | 60 | 54 | 86 | 83 | 94 | 95 | 95 | 98 | 105 | 107 | 92 | 71 | 72 | 63 | 62 | 65 | 65 |
●総合39位:カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
Sportwereld誌コメント:今年のツール・ド・フランスは、プロトンのなかで最も余裕のあるはずのチームにとって、長い苦行となった。総合系選手であるカデル・エヴァンスはまったくの無力だった。ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)は昨年のツールで総合5位に輝いた素晴らしいクライマーだったが、今年は見る影もなかった。フィリップ・ジルベール(ベルギー)が最後になってようやくその名誉を守ろうとしたが、一足遅かった。BMC内部の不協和音が、唯一の見物だったともいえる。第1ステージ後のコメント
(ゴール地点の変更についての)情報は、ずっと知らされていなかった。だから、なにが起きているか、ぼくたちはわからなかった。それで、普通にフィニッシュラインを越えて、いつも通りの仕事をしただけだ。
今日のレースのスピードは、トレインを作るにはかなり難しかった。身体の面でも良いスタートが切れたことに満足している。チームメイトたちも全員しっかり乗れていた。これもまた重要な要素だ。
第21ステージ後のコメントカデル・エヴァンスの成績(stage:ステージ、class.:ステージ順位、g.c.:総合順位)
心のなかでは、このような結果でツールを去りたくはない——競争にすら参加できず、上位に入ることもなかった。
だけど、これはチームとしての望みでもあった。このチームはアメリカのチームで、ティージェイ・ヴァンガーデレンはアメリカ人であるということは覚えておいてほしい。ともあれ、これでツールは終わる。今回のツールを顧みて、ゆっくりと各自の目的を確認すべきだろう。そして、これからのチームの方向性も考えるべきだと思う。
リザルトに無関係な状況や、レースに出場しながらもタイム差を稼いだり失ったりしなくてもいいという状況は、とても興味深かった。この状況に感謝して、さまざまなことを楽しんだ。昨日は15〜18分ほど遅れたけど、その分、観客のなかにいる知り合いを探したり、合図を送ることなどができた。こういうことをするチャンスは、これまで絶対に手にすることができなかったものだ。
stage | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
class. | 23 | 22 | 13 | - | 27 | 17 | 25 | 26 | 6 | 21 | 21 | 20 | 21 | 43 | 31 | 40 | 167 | 80 | 155 | 88 | 55 |
g.c. | 23 | 10 | 9 | 28 | 26 | 23 | 22 | 23 | 16 | 16 | 14 | 14 | 12 | 13 | 16 | 17 | 18 | 29 | 36 | 39 | 39 |
●総合96位:トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
Sportwereld誌コメント:今回のツールについては、あまり責めるべきではないと思う。この東フラマン人は、体調に大きな問題を抱えていて、今回のツールに向けて調整していないようだった。このような問題は別にしても、モンサンミッシェルの個人タイムトライアル[訳注:第11ステージ]でステージ3位の輝かしい成績を修めているし、山岳ステージでは集団のアタックをコントロールしていた。しかし、デヘントならもっとやれるだろうという期待はあった。第2ステージ後(ステージ159位/総合165位)
今朝の段階で、自分の状態が100%ではないと感じた。腹部や腸にちょっとしたトラブルがある。最初の山岳の段階で、かなりハードだった。次の山岳で、先頭集団のペースが速すぎた。今回は上位5位に入れるとは思わなかった。次は、もっとリードを広げて逃げの可能性を高めたい。
第17ステージ(山岳個人タイムトライアル)後(ステージ19位/総合90位)トーマス・デヘントの成績(stage:ステージ、class.:ステージ順位、g.c.:総合順位)
2番目の登りで限界に達してしまった。少しペースが速すぎたのだと思う。最後の10kmは、TTバイクならかなり効果的に走れたはずだった。事前にコースの偵察をして、どこかの地点からTTバイクで走ることも考えることもした。最終的には自分で通常のバイクで走ることに決めた。下りがテクニカルだったので、自分にとっては不利だった。100%は満足していないが、納得はしている。他の選手たちの中間計測のタイムを見て、もっといけるだろうと願っていた。自分としてはうまくできたタイムトライアルだと思う。
stage | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
class. | 103 | 159 | 113 | - | 130 | 164 | 121 | 66 | 66 | 110 | 3 | 144 | 161 | 101 | 66 | 15 | 19 | 75 | 73 | 122 | 132 |
総合 | 103 | 165 | 150 | 150 | 142 | 153 | 155 | 129 | 120 | 119 | 117 | 118 | 124 | 125 | 115 | 95 | 90 | 89 | 92 | 96 | 96 |
総合20位:アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)
Sportwereld誌コメント:あの悲劇から2年。アンディ・シュレクはツール・ド・スイスの湖畔で復活した。「意欲をもってツールに挑む」と元ツール・ド・フランスの総合優勝者は語ってくれた。不調なスタートではあったが、彼は活躍することを約束してくれた。「アルプスではステージ優勝するつもりだ」と聞こえた。でも、それはまったく起こらなかった。第4ステージ(チームTT)後
今日は良いタイムが出せた。チームとしては1kmにつき1秒失っただけで済んだ。もっとこまめにローテーションできていたら、10〜15秒ほど改善できたかもしれない。でも、これで充分だ。個人的には、このチームと一緒でモチベーションもある。いまのところ、自分が成果を出せてないこともわかっている。ルクセンブルクのナショナル選手権でも調子が悪かったけど、コルシカ島での3つのステージは調子が良かった。充分に自信はある。だけど、まだ自分自身が総合優勝候補のひとりだとは思えない。目標はステージ優勝だ。
第21ステージ後アンディ・シュレクの成績(stage:ステージ、class.:ステージ順位、g.c.:総合順位)
ツールが終わってほっとしている。これでもう自分のバイクを見なくてもすむし、誰かに1日中質問攻めにあうこともない。今回が5回目のツールだけど、表彰台に立たなかったのは初めての経験だ。いまはこんな状態だけど、世界の終わりというわけではない。とくに昨年の状態から、ここまで来られたということを注目してほしい。
stage | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
stage | 79 | 74 | 56 | - | 86 | 79 | 68 | 21 | 12 | 82 | 123 | 109 | 23 | 94 | 39 | 57 | 15 | 40 | 53 | 21 | 53 |
総合 | 79 | 55 | 45 | 38 | 35 | 34 | 33 | 21 | 15 | 15 | 17 | 17 | 14 | 15 | 18 | 19 | 16 | 18 | 21 | 20 | 20 |
【翻訳】【雑文】ツール・ド・フランス2013 八大がっかり選手権(後編)へ続く