2013/07/26

【翻訳】【雑文】ツール・ド・フランス2013 八大がっかり選手権(後編)

Sportwereldさんのゲスい記事「Dit waren de 8 floppers van de Tour」(ツール2013の八大ガッカリ選手)に、各選手のツール前後のコメントをつけてみようというゲスい記事の後編です(前編はこちら)。なお、Sportwereldさんのコメントの原文はオランダ語で、それを英語にしたものを重訳しております。厳密な解釈のズレなどはご容赦ください :)

さて、後編で登場するのは下記の4選手。

  • ティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR)
  • マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
  • ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
  • レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)

ケガや体調不良でツールを去ってしまう選手は、本当に残念ですね。後半のこの4人は若手中心なので、来年以降のツールでの活躍も期待したいところです。




第15ステージ(総合80位)でツールを去ったティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR)

TDF2013 8RIDERS004

Sportwereld誌コメント:この若きフランス人選手は、昨年のツールで総合10位という予期せぬ好成績を修めたことから、フランス全土の期待をその華奢な両肩に背負わされてしまった。そして、そのプレッシャーに屈してしまった。ピレネーのステージでは、苦手とする下りで1時間半ほどタイムを失ってしまい、さらに病気になってしまう。(最後の1文、Hij verkeerde naar eigen zeggen nochtans in de vorm van zijn leven. Doodzonde.の意味がとれないので今回はペンディング)。

ティボー・ピノの成績(stage:ステージ、class.:ステージ順位、g.c.:総合順位)
stage123456789101112131415161718192021
class.576278-72626530130118553613013980------
g.c.573942494542412947494848525252------



総合152位のマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

TDF2013 8RIDERS005

Sportwereld誌コメント:今後マシュー・ゴスが衆目を集めるとすれば、シャンゼリゼのスプリントステージで勝利することだ[訳注:元記事は第20ステージ直後の記事]。そうじゃない限り、彼のツールを振り返ると成功とは言いがたい。このオリカ・グリーンエッジ所属のスプリンターは、昨年のツールでは上位10位へ7回入賞している。しかし、今年は一度として上位10位に入っていない。

マシュー・ゴスの成績(stage:ステージ、class.:ステージ順位、g.c.:総合順位)
stage123456789101112131415161718192021
class.166146152-1691517916012811887978104145161831308914012
g.c.166176167151175166165167164164160159166165168166164163152153152



第5ステージ(総合146位)でツールを去ったユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)

TDF2013 8RIDERS006

Sportwereld誌コメント:VdBという略称を持つ彼にとって、ツール・ド・フランス2013は忘れたいもののひとつだ。このベルギー人はひどい落車の後で、望みむなしく第6ステージのスタートには現れなかった。(同じ落車に巻き込まれた)オランダ人のバウク・モレマ(オランダ、ベルキンプロサイクリング)とローレンス・テンダム(オランダ、ベルキンプロサイクリング)が見事な成績を見せた一方、このベルギー人はその活躍を見守るしかなかった。「いったいなにが……?」という疑問が永遠に残る。
第1ステージ前日のコメント
ドーフィネ(クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ)の後は、しっかり回復するチャンスがあった。病気で寝ていられる時間はほとんどない。だから、自問もしなかった。シエラネバダ山脈でのトレーニング中は、自分の脚が好調なことに気づいた。ベルギーのナショナル選手権でも全力を出して、調子を確かめた。だから、明日は気持ちよくスタートできると思う。重要なのは、最初から集中することだ。脚の調子も良いし、たくさんの幸運も手に入れている。
コメント出典:
PREVIEW TOUR WITH VDB AND GREIPEL

第6ステージ後のコメント(出場はしなかった)
昨日の落車のせいで、右膝を強く打ってしまった。初見では擦り傷程度だと思ったのだが、すぐに腫れはじめて、膝を曲げることすらできなくなってしまった。膝から血が出ていることもわかった。夜の12時半を過ぎるまで、ドクターのマチューと理学療法士のティム・アーツが膝の治療をしてくれた。膝をアイシングして腫れをひかせるなど、機能が回復することならあらゆる手を尽くしてくれた。昨日の夕方には、今日にはよくなるだろうと望んでいた。昨晩は目を閉じて眠ることができなかった。今朝の段階で、ドクターが膝から85ccの浸出液を吸引したが、そのほとんどが血液だった。これは良くない兆候なのは理解した。その後、ローラー台に乗ってみたが、その20分のあいだに全力で(ペダルを)回すことができなかった。それでスタートするという選択肢が消えることになった。

不運のせいでツールを去るのは、これで2度目だ。2010年と2012年はすべてが自分としてもすべてうまくいった。たぶん奇数の年度は運が悪いんだろう(笑)。すべてがまさに始まったばかりだった。コルシカ島のステージ[第1〜第3ステージ]では、完璧にシナリオ通りだった。火曜日[第4ステージ]は、チームタイムトライアルで良い走りができた。だけど昨日、事態が悪い方へと向かってしまった。ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.FR)とマッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)が目の前で落車したので、ぼくはペースを落とした。ぼくはあの場にいる必要があったのだろうか? あそこで集団が分裂してしまえば数秒を失ってしまう可能性が常にあった。カタルーニャ一周のときにそういうケースがあったので、同じことを避けたかった。

今シーズンは、残りのレースのなかから自分が出場できるそうなレースの時期になるまで待機することになった。仮にブエルタで走れるとしても、2011年のように走れるかは確約できない。まずはドクターの判断を仰ぎたい。2年前にリタイアせざるを得なかったときは自宅でツールを見ていた。あれはひどい拷問だった。今回はどうするかはわからない。今日はベッドのうえで最後の8kmを見ていた。自分がレースに出ていなかったのは悔しかったけど、(グライペルの勝利の瞬間を)見られたことはうれしかった。チームにとっては素晴らしいことだから、今晩はしっかりと祝いたい。今大会はメリハリがありすぎる。チームタイムトライアルが大成功して多幸感に包まれたと思ったら、ぼくの落車で地獄を味わった。そして今はアンドレ・グライペル(ドイツ)の勝利で喜びにあふれている。
コメント出典:
VAN DEN BROECK ABANDONS
ユルゲン・ファンデンブロックの成績(stage:ステージ、class.:ステージ順位、g.c.:総合順位)
stage123456789101112131415161718192021
class.312825-146----------------
g.c.3113121413----------------



総合102位のレイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)

TDF2013 8RIDERS007

Sportwereld誌コメント:目の肥えた批評家たちが何年ものあいだ、このコフィディスの選手のことをチーム内で最高の潜在能力を持つと評価している。実際、2011年のツールでは総合11位という成績で、その将来性を充分に期待させた。しかし、今年のターラマエは持ち前の能力を発揮できなかった。現在[訳注:第20ステージ終了直後]の彼はクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)に3時間遅れて、総合102位の成績だ。

レイン・ターラマエの成績(stage:ステージ、class.:ステージ順位、g.c.:総合順位)
stage123456789101112131415161718192021
class.77112120-138178894912215036102113701379318153137121145
g.c.7710510410610411896627877767377788989849199102102

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